バックナンバー “上海 勝手にレストラン・アワード!” 2015年2月号

“上海 勝手にレストラン・アワード!” 2015年2月号

 

このコーナーは、独断と偏見に基づき、お店の許可も一切取らず

社員が文字通り「勝手に」ステキなお店をご紹介する場です。

七回目、胃炎にも冬の寒さにも負けず日々もりもり食べているSがお届けします。

前半の日記で肉・芋・でんぷんの三重奏のおいしい中国東北料理をご紹介して

おりますが、あらゆる料理を選び放題の上海でも似たような料理を食べられる

お店はたくさんあり、今回はその中からイギリスの家庭料理を提供する

レストランをご紹介したいと思います。

私は私用で1~2年に一度ロンドンを訪問しますが、そのたびに

イギリスの方は(もちろん、人にもよりますが)どうも“話にオチを

つけたがる方”が多く、シニカルを通り越した“自虐ネタ”に走る方も

非常に多いと実感します。特に私がゴッドマザーと慕う年配の友人は

その特長が顕著で、マーマレードジャムを塗りながら

「スペインで山のように取れる苦くて誰も食べないオレンジを、

 何を思ったんだか私たちのご先祖様はわざわざジャムにしたのよね」

と解説。その後すかさず

「その前に他の料理を何とかすればよかったのに」

とオチをつける徹底ぶり。

彼女のブラックユーモアはご紹介がためらわれるレベルのものも多く

詳細は書けませんが、何故突然彼女のことを思い出したかというと、

最近上海でお会いしたとあるイギリスの方が

『フィッシュ&チップスにはカレーのソースもお勧めです。

 プレートの上で大英帝国を再現!』

『・・・まぁ、今はもう歴史ですけど』

『うちの店の以外で一番おいしかったフィッシュ&チップス、

 どこのだと思います?』

『それが、日本なんですよ!六本木のお店なんですけどね、いやー、

一瞬自分がどこの国にいるのか分からなくなるような変な体験でした』

と一々話にオチがつく面白い人だったからです。

その方が経営するレストランがこちらです。

 

Mr.Harry

住所:南京西路819号开欣商厦5

電話:02162036511

 

海外の映画俳優なども時々訪れるというこのお店は、カジュアルな内装で

イギリスの伝統家庭料理を提供してくれます。ソーセージに山盛りの

マッシュポテトやおなじみサンデー・ローストなどメインもおいしいのですが、

個人的おすすめは「アップル・クランブル」です。

 

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(写真:アップル・クランブル。男性用の弁当箱サイズの巨大なポーションです。)

 

切り刻んだリンゴにクランブル=粉状のクッキーをふりかけオーブンで焼き、

あつあつのカスタードクリームをかけるこのデザートは私の大好物なのですが、

作り方が簡単な分微妙な加減がむずかしく、本当においしいお店は貴重である上、

本場の方にとっては「わざわざ店で食べるようなものではない」という認識

らしく、置いているお店自体が少ない幻のデザートです。

こちらのお店は『山盛りの量』『ぼそぼそしたクランブル』

『激甘カスタードクリーム』という3つのポイントを見事におさえ、

すばらしいできばえでサーブしてくれます。

「アップルクランブルがある!」「アップルクランブルは絶対に食べないと」

「クランブル・・・」と席に着くなりクランブル経を唱えはじめた私を

かわいそうに思ったのか、店を出る際に何故かオーナーが

『是非また来てください』とお駄賃(?)のショートブレッドをくれました。

2個だけ。まだまだ勉強不足ですがこれはきっと英国式ユーモアの一部

なんだろうと思います。市の繁華街ど真ん中、地下鉄にもアクセスしやすい

こちらのお店はメインは2人で分けても十分なほどのボリュームがありますので、

皆様お腹を空かせてお出かけください。

 

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