バックナンバー “上海?勝手にレストラン・バー・アワード!” 番外編 2014年10月号

このコーナーは、独断と偏見に基づき、お店の許可も一切取らず

社員が文字通り「勝手に」ステキなお店をご紹介する場です。

四回目も毎度おなじみ、飲んでばかりのSがご紹介を担当させて

いただきます。 先日、出張で天津に行ってまいりました。

詳細は機会があれば今後またニュースレターで紹介させていただきますが、

今回の出張では私が長年抱いていたとある北方の名物料理への偏見を一瞬に

して塗り替える劇的な出会いがありました。そこで今回は“番外編”と称し、

天津の隠れた名店をご紹介したいと思います。

『“上海”レストランアワードじゃなかったのか!?』

『やっぱりコンセプトが迷子に・・・』

と不安にお思いの皆様、ご心配には及びません。またタイトルを変えれば

いい話です。今月のタイトルを目をこらしてもう一度ご覧下さい。

「?」は文字化けではございません。

中国におけるメンタルヘルス・マネジメントのコツは何事も考えすぎないことです。

 

北京や北方の庶民の味として有名な料理に「炸酱麺」があります。

日本では“ジャージャー麺”とよばれており、うどんのような太麺にひき肉などが

入った味噌風味のタレを絡めて食べる、スープのない麺料理です。

上海で食べる炸酱麺は甘党の地元の人の味覚に合うよう大幅なアレンジが

施されており、そのため私は炸酱麺といえば「甘ったるい味噌味のタレに

ゆですぎの太麺」というイメージしかなく、長年敬遠しておりました。

そんな先入観を覆す本場の味を提供しているのがこちらのお店でございます。

 

九河居

住所:天津 荔湾路(增进道口) ※他、市内に数件支店あり

電話:28368615

 

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(写真:外観。“喝酒吃面(酒を飲み、麺を食らう)”というステキな看板付きです)

 

外観からお分かりの通り、非常にローカルなたたずまいのお店です。

まず住所の記載に番地がありません。電話番号は一応WEBで調べましたが、

わざわざ予約を取って行く様なお店ではなく、パッと食べてパッと帰る

軽食店です。天津滞在、北京留学経験を有し中国全土を飛び回っている弊社

シニアマネージャーが「ここの炸酱面はおいしい」と何度も強調していた通り、

期待を裏切らない味でした。

麺はコシのある太麺のアルデンテ仕上げ、もちもちした歯ごたえがあります。

注目すべきはその酱=タレです。甘さはなく、塩辛い味付けが日本人の口に

よく合い、生まれて初めて心から炸酱麺をおいしいと思いました。

また、こちらには麺のほか『河エビのから揚げ』という大変危険な

メニューがあります。指先ほどの小さなエビを揚げたこの料理、

何が危険かというと一口食べたが最後、手が止まらないばかりかついでの

ビールも急ピッチで進むからです。窓の外からは厨房が見え、

キャンプファイヤーと見紛うばかりの恐ろしい火力で麺やエビが巨大な

中華鍋で調理される異国情緒たっぷりな料理ショーを堪能できます。

但し、窓の外は街中の普通の路地ですので見物中は犬や歩行者にご注意ください。

 

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