バックナンバー “上海 勝手にレストラン・アワード!” 2014年9月号
“上海・勝手にレストラン・バー・アワード!” 2014年9月号
このコーナーは、独断と偏見に基づき、お店の許可も一切取らず
社員が文字通り「勝手に」上海のステキなお店をご紹介する場です。
三回目もやはり食べてばかりのSがお店のご紹介を担当させていただきます。
上海は天国のようなところです。と、突然言うと
「怪しい薬でも服用しているのか」
「じゃあ何故普段あんなに文句ばかり言うのか」
と即座に批判が続出しますがここで申し上げておりますのは食べ物の話です。
移民と租界の街として発展した上海は西洋料理全般においてレベルの高い
美食が勢ぞろいしています。中でもイタリアンは近年特に店舗数が増えており、
ジャンルも細分化されているので、イタリアの何地方の料理にするかを
シェフの出身地から決める楽しみがあります。
そんな上海で私が長年、唯一不満に思っておりましたのがカッペリーニ、
あの「天使の髪の毛(中国語はそのまま“天使面”)」と呼ばれる極細パスタ
だけはなかなかおいしいお店が見つからないところです。
カッペリーニは麺が細いので時間を誤ると茹で過ぎたそうめんのような
残念な結果になります。また、仮にキッチンが仕上がりをしっかり計算して
作っても中国にありがちな「フロアサービスの大混乱」に巻き込まれ、
食べる頃には余熱で伸びていることも多々あります。というわけで
カッペリーニは冷たいパスタとして前菜などにされていることが多い
のですが、あえて難関にチャレンジした熱々のパスタをどうしても食べたい。
そんな中、久々の大ヒットを記録したお店がこちらでございます。
Porta Nova
住所:虹梅路3338弄老外街40号
電話:6465-6868
あまり期待せずに頼んだ「カニとウニのカッペリーニ」ですが、
絶妙な茹で加減とシーフードのトマトソースがとてもおいしい逸品でした。
(写真:カニとウニのカッペリーニ。あまりおいしそうに見えないのは
料理や光源のせいではなく、私が食べるのに夢中でロクな写真を
とらなかったせいです)
ウニだけは上海の立地上、日本人の感覚からするとやや新鮮さに欠けますが、
それ以外は大満足。また、ムール貝のワイン蒸しも絶品で、思わずもう一つ追加。
食後は貝殻でプレートが貝塚のようになりました。もし万一突然の天変地異が
発生し私の死体と大量の殻が地層に埋まり数世紀後に発掘された場合はきっと
“虹梅貝塚”などと名づけられ、酸化したフォークや変質した酒瓶が出土し
『炭素測定によると21世紀ですね。この女性はフォークを握り締めて死んだ
ようです』
『よほど食い意地が張っていたんでしょうね。DNAタイプからすると
日本人でしょうか』
などと後世で大恥を晒すことになるでしょう。そんな想像も酒の肴にぴったりです。
こちらは南イタリアの料理を中心に提供するお店で、焼きたてのピザも人気
とのこと。メニューからお察しいただけるようにとにかくお酒が進みますので、
皆様タクシーか運転代行サービスをご用意の上お出かけ下さい。
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