バックナンバー 社員の日記 2014年4月号
◇◇◇新入社員の日記 2014年4月号(前編)◇◇◇
過去2ヶ月間、いつまでも風邪をひきずっているSでございます。
治りかけにぶり返し、また治りかけた頃に人からもらう、を繰り返しています。
おそらく不規則な生活が原因の一つには違いないのですが、それだけだと
完全に自己管理怠慢という自業自得の窮地に陥ってしまいます。
その上心ない人には「知恵熱なんじゃないの?」などと言われる有様なので、
ここは一つ誰もが納得してくれるような客観的な原因がほしいものです。
そこで思い至ったのが大気汚染です。弊社でも1月にセミナーを実施した通り、
汚染は今に始まったことではありませんが、今月はとうとう、上海市の
環境保護局局長がTVのインタビューに答え汚染を認めるという
かつてない事態が発生しています。
(写真:4月12日 ニュースで放送された局長:張全氏のインタビュー画面)
「現在の上海のPM2.5の数値は・・・まぁ・・・必ずしも正確であるとは言い難い」
と驚きのコメント。政府が公式にこのようなコメントを出すのは異例中の異例です。
ただし、この不正確さは1日1回の測定が招いた誤差であると強調した上で、
今後は1時間に1回の測定に切り替え正確を期す、と発言していました。
確かに現行の法令では一日あたりのPM2.5濃度しか規定をしていないので、
場合によっては今後、法令が改正される可能性もあるようです。
ところで、私の風邪の主な症状は咳、のどの痛み、そして胃腸の不調です。
前二つはともかく、後の二つは明らかに空気中の浮遊物とは関係なさそうなので、
どう言い訳するかとても悩みます。皆様もお体だけはどうかご自愛ください。
さて、今月も社内の様子をご紹介します!
■4月某日 彷徨える昼食難民
弊社が入居しているビルには小規模なフードコートが併設されており、
ビルが運営する食堂か、あるいはフードコートへ出かけるかが昼食のわずかな
選択肢となっております。コンビニ、コーヒーチェーン、カフェに中華料理と
それなりに数は揃っていますが、そろそろどの料理も飽きてきました。
とはいえ開発区の周囲に徒歩で出かけられるようなレストランはほぼありません。
あまり知られていませんが、中国ではわが子が20代・30代、もしくはそれ以上の
年齢になっても毎朝お弁当を作ってくれる優しいご両親が多いです。
上海地区は伝統的に家庭のシェフが男性である確立が非常に高く
“お父さんの手作り弁当”持参の社員はかなりの数に登ります。
ただ、中身は日本のそれとは大分異なり、以前の勤務先でも二つに折った
蒸し上海蟹が弁当箱から出てきた等、ワイルドな事例が散見されました。
外国人である私はそれらを横目にコンビニ弁当などをつつくしかないのですが、
自分で作るという選択肢は最初からありません。朝、布団にしがみついて
眠る10分は、休日の1時間に匹敵するほど貴重だからです。
春眠不覚暁、夏眠不覚暁、秋眠不覚暁、冬眠不覚暁。
上記の五言絶句は何かが根本的に間違っているような気がしますが、
具体的に何が違うのかそれすらもう分からない。とにかく眠い。それが春です。
栄養のバランスを考えると選択肢が多様な食堂へ行くのが一番よいのですが、
味はともかくサービスはまず期待できません。そのため、味とサービスの
両方を求める場合は、やや値の張るカフェに出かけることになります。
以前、写真を掲載した通り、虹色のケーキが色々心配なお店ではあるものの
それ以外はパスタやその他麺類、カレーなど素敵なメニューが揃っています。
勤務時間中でさえなければ酒類を頼みたいところですが、そんな私の心を
見透かしたかのように壁には飲酒を戒めるポスターが貼ってあります。
(写真:カフェのポスター。健康管理のため写真を携帯に保存していますが、
何故か一向に効果があらわれません)
このような理由から最近はあまり外に出ず、専らとあるお店に通いつめています。
一体何を食べているのでしょうか。答えは後半、ニュースレターの最後へ!
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◇◇◇連載 新入社員の日記 2014年4月号(後編)◇◇◇
たかが昼食、されど昼食、午後の業務の効率化のためにも昼食は
きちんと採りたいところですが、会社の周囲には選択肢がありません。
そんな中、毎日毎日似たようなメニューのローテーションでうんざりしていた
昼食の新たなメニューとして急遽浮上してきたとあるファーストフードとは
一体何なのでしょうか。
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弊社隣接のフードコートには米国の某サンドイッチ店が入っています。
全世界で展開している巨大チェーンであり、ファーストフードの中では“比較的”
低カロリー、おまけに種類も豊富なことから最近はひたすらこのサンドイッチを
日替わりで食べていたのですが、徐々に数々の問題が発覚しました。
ファーストフード店が世界中どこでも同じ味、同じ質を一定水準で保って
いるのはマニュアルがある程度守られていることが前提となります。
したがってマニュアルがあっても守られておらず、本来期待されていない
個人的アレンジが加わってしまう場合、サンドイッチの出来はかなりの部分を
その担当者の腕と当日の運に委ねざるを得ません。
弊社1階の店舗には野菜を山盛り入れてくれる人と、申し訳程度にしか
入れてくれない人の2派に分かれており、まずここで運命が分岐します。
野菜を減らすことによるコスト削減ではありません。たぶん、ただの気分です。
そこから更に話を聞いてから手を動かす人と、話を聞く前にまず手を動かす人の
2派に分かれるため、後者に当たった場合は『たまねぎは抜いてください』
といいかけた瞬間、すでに完成品が包装紙に包まれているような状況に陥ります。
好き嫌いせず食べなさい、という親切ではありません。やっぱりただの気分です。
そしてこのフローはソースを選択するプロセスにもそのまま反映されます。
ソースを替えず時間短縮+回転率UP、ではなく、これもおそらくただの気分です。
中国ではマニュアル外や予定外の出来事は日常茶飯事です。
ストレスを感じることもゼロではありませんが、これこそが中国の面白さであり、
一度関係を構築するとマニュアルにない対応も融通が利くというのりしろの幅が
日本より広く取られているのがビジネスでも大きなメリットです。
契約書に記載がないことでも交渉の余地がある。規定では禁止されていても
特例を設けてもらえる可能性がある。親しくなると家族のように親身に助けて
くれる。四角四面の対応より手ごたえを感じられることが中国の大きな
魅力であると思います。が、実際の経験として頭では分かっていても、
当初の注文とは似ても似つかないサンドイッチを手にすると、時々途方もない
脱力感に襲われることがあります。外からデリバリーを頼むこともできますが、
時間通りに届くか、注文は合っているか、箸が足りていて釣銭の準備があるか
どうかはもう賭けです。ギャンブルです。
こんな大博打を踏むには1時間という昼休みはあまりにも短すぎます。
おいしいデリバリーをご存知の方、是非弊社までご一報下さい。
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